振り返って連載を続けていると「私は失敗、撤退ばかりしているな」と悲しい気分に落ち込む事もある。土俵際の粘りのない男である。
アニメ宣伝を専門とする会社を立ち上げて最初の社長を担当させてもらって何年かすすめ四苦八苦しつつ、引き継いでもらってそして最終的には引き継いだ社長に解散、清算してもらった。
デジタル専門からもうすこし広域に。アニメ宣伝の世界へ
宣伝プロデューサーの斎賀Pが、2015年当時、原宿にあった私のオフィスにジョインしてくれたので、ちょこちょここれまで以上にその仕事を横でみることになる。
それを見ていてアニメのTVシリーズの宣伝の全体のイロハ、TVシリーズの全体像を学ぶことになる。
元々、私はデジタル専門としてキャリアをスタートしていたのでアニメや映画のWEBもたくさん手がけていたが、エンタメの宣伝全般をやったことはなかった。
且つ、一般企業に、アニメのコンテンツタイアップを売る仕事をしていたのでTVアニメは仕入れ先でもあった。
その仕入れ先の宣伝を手伝う、という仕事はあまりイメージできていなかった部分もある。
隣の仕事、結構おもしろそうだな〜
斎賀Pを手伝ったらもう少し全体見えそうだなー
なんていう風に考えていた。
鈴木がメインで当時担当していたデジタル関連は、
企画→宣伝→デジタルという工程の3番目である。
もう少し上流からコントロールしたらもっとデジタル周りも無駄なくやれるかもしれない?
みたいな思いと、交通広告など含めて、使える予算がもう少しあればもっと面白いことができそうだな?と思い始める。
そこに大物プロデューサーから声がかかり
そこに大物プロデューサーから「ちょっと宣伝の座組を組めないか」声がかかる。
私一人なら断っていたが、なんとなく斎賀Pのことが頭をよぎり巻き込んだら出来るかもしれないと考え始める。
そしてプロジェクトはあれよあれよと発足して、三者出資の合弁会社を立ち上げるに至るのである。
SNSの登場によりアニメにも宣伝が必要になる
元々アニメは好きな人が見るものであり、能動的に情報を取りに来る性質のものなのでそんなに宣伝を必要としていなかった。というよりもTV番組は無料で誰もが見れるものであり、TVそのものが重要な宣伝媒体なので、
ほかのメディアで宣伝するよりも、番宣や告知をいかにながしてもらうかのほうが大事だったわけである。
しかしSNSの登場や視聴スタイルの多様化により、
アニメを宣伝というコミュニケーションが重要な時代に突入する訳である。
そんな時にビジネスチャンスだと思って立ち上げるのである。
需要はすごくある、可能性もある
ビジネスそのものに可能性はあると思う。
もっとうまく経営、やり方を編み出すことが出来たのではないか、と考えている。
しかし、私の経営力のなさと胆力のなさでプロジェクトは頓挫してしまう訳である。
端的には「忙しすぎる仕事である」ということである。
それを最適化するまで、体力精神力がつづかなかったのである。
効率化、標準化して採算がとれるまでのトライアンドエラーができなかった。
私は途中下車させてもらうことになる。
そして、その後社長を斎賀Pが引き継いでくれて、しっかりと最後まで走りきって2022年にその幕を下ろしてくれたのである。
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