葛藤(かっとう)ってちょっと不思議な言葉よね?

葛藤は、心理学的な用語であり

「コンフリクト」を意味している。

コンフリクトは心理的な衝突、対立、相反する感情に、受け入れるか回避するか、などの状態に用いられる。

皆さんも葛藤して生きてますよね?

だから葛藤、なじみのある言葉で多用していると思います。

葛藤という言葉を、多くの人が体感として理解していると思うんですが

「コンフリクト」と「葛藤」

あんまりそのまま結びつかない字面だなと思ったのです。

葛の花、藤の花、植物じゃん?と。

葛・藤、どちらもみんなが恐れるツル性植物

葛(かつら・くず)の繁殖力、すさまじいものがあります。

あっという間に、荒れ地を駆逐します。

何にもないところにも生えます。乾燥してても生える。

でもそうやって、最初に荒れ地をいく植物、その後の植物たちの場所を作る、土をつくるそういう役割の植物でもあるのであんまりひどく言わないでほしいとも思うのです。

そして、なによりおいしい葛餅の材料になりますから。

藤(ふじ)は美しい花をさかせるがこれまた、強烈な太い幹で元の樹木を絞め殺しそうなつる性植物である。

公園のパーゴラを利用した藤棚は、見かけも涼しく素敵で、私も藤の花大好きである。

しかし、その幹をよく見てみると、自分が巻き付かれる立場になったら

「これに巻き付かれたらひとたまりも無いな」と思うほどである。

ツル性植物に巻き付かれて共倒れ

この記事の最初に載せた写真はやぶからし。

スズメバチを呼び寄せるので嫌われている、つる性植物がいる。

その名前が分かりやすいが、

つる性植物は、日当たりのいい高いところが好きなので、

樹木に寄生して太陽を得ようとする。

しかし、巻き付きすぎて宿主を衰弱させてしまうこともあるわけである。

そのまま、元の樹木が倒れれば、藤も葛もやぶからしもいきていけない。

だから、生かさず殺さずなのではある。

途中から藤に支えられて立っている樹木もきっとあるだろう。

葛藤とは仏教用語

葛藤はもともと、仏教用語である。

その葛と藤に巻き付かれて、

煩悩にがんじがらめにされ、身動きとれない様子を表している。

あっちをたてればこっちが立たず、

行くも地獄、戻るも地獄。

それが葛藤であり、もう頭の先まで、藤と葛とやぶからしに巻き付かれちゃってるわけである。

フロイトやマズローの言う、心理的コンフリクト、対立する感情に板挟みになる様子に、

古い仏教用語の葛藤を当てたわけである。恐れ入る。

衝突を通り越し、もう絡め取られて、元にもどることは無い訳である。

その状態を受け入れて共に生きていくしかない、

というコンフリクトを内包したまま、大人になっていくということが葛藤なのだろう。

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