料理の提供を捨てることで、シェアキッチンでコミュニケーションが生まれる宿になる。

旅先で食に困った経験はありませんか?

私はよくあります。慣れない土地で自分の好みにあったお店を探すのは大変です。

もう一つは移動の問題があります。公共交通機関でさっと夕飯をたべにいくのは難しいことが多い。そしてお酒を飲む人は車で食べにいってもつまらない。

なんとなく食のことを考えて億劫になってしまいます。

旅先の地のものをたべてみたい

出張などだと素泊まりも多いので、レストランなども併設されていないことがほとんどでしょう。

なので宿の人に「このあたりでおいしいものを教えてください」と聞くことになる。

その時に、土地のものが食べたい、さらに地元の人がおいしいと思うものをたべたいと思うものです。

で、実際に働いている皆さんが何を一番食べているのか、といえば

「近所のスーパーで買って調理している」というのが、実際の声だと思います。

旅先のスーパーで買い物をして調理してる食べる

一番気に入っている食事の楽しみ方である。

近所のスーパーの評判をきいて、魚やパック寿司なら○○、肉や野菜は■■、お惣菜なら△△で買っている、

などを地元の人のリアルな声として収集する。

そこへ買い出しにいって、自分達で調理して食べるのである。

出来合いのものもかってきてハイブリッドで楽な調理で楽しむもある。

これでかなり気持ちが楽になったものである。

同時に(お祝いの席以外では)お酒をやめてしまったので、

それもあって旅先の食事のストレスが緩和された。

自分達の暮らしを守るために料理の提供をやめる

糸魚川の長者温泉「ゆとり館」は奥村夫妻が運営する素敵な宿である。

彼らの経営的選択によって私たちも引き込まれた顧客である。

その選択とは

・料理を提供するをやめた

・大手予約サイトを利用するのをやめた

この二つ。

これによって宿の趣旨に賛同してくれる、関わりたいお客さんだけを呼び込むことに成功している。

料理を提供することは人気のあるサービスではある。めんどくさいし、出てくるもんだ、と思ってる人も多い。

それでいて出てきた料理に文句を言う人も多い。

それならばいっそやめてしまえ、というわけである。その時間で家族の充実した時間を増やしたほうがいい。

もちろん取りこぼしているお客さんはもちろんいるが、いらないお客さんである。

シェアキッチンでほかの家族と調理する宿

料理の提供をやめたことの副産物で広い調理場をお客さんも自由に使えるようになった。

それにより小さいこどもをつれた家族がたくさんとまりにくる。気兼ねなく子どもが食べやすいものをつくれるからである。

量もまちまちだ。

そしてさらなる副次的効果として、みんなが一つのキッチンで料理する。

そうすると勝手に調理場でコミュニケーションがはじまるのである。

さらには、お互いにつくったものをシェア、材料をシェア、こどもたちは勝手に友達になって遊び出す、

そういったことが自然と起こりやすい環境なのである。

やはり個性を出すとは、捨てる選択によって生まれると思うのである。