プロデューサーは自分で、チラシ配って、店頭接客し、レジ打ちすべし

広告プロデュースや、

クリエイティブディレクション思考の強い人は、企画のコンセプトを大切にする。

コンセプト>企画の箱・容れ物>コンテンツ>人

の順で設計する。

そもそも論に立ち返って、頭から整理していくことが肝要である、と考える。

そして、その企画にそった箱、外殻を設計してあげる。

ふさわしい容れ物から作ろうとする、と言ってもいいかもしれない。

これは企画マンとして重要な能力ではる。

しかし、時として中に容れるものはプロダクション任せ。

ましてや、運営する人は派遣会社やアルバイト任せということも。

これは広告プロジェクトという短期的なイベントの宿命ともいえる。

恒久的な仕事ではないからある意味仕方ない部分もある。

そうなんだけど、現実は逆なのである。

実際大事で人を引きつけるのはコンテンツ

コンテンツとは中身のことである。

ものすごくあたりまえだけど、中身が大事である。

コンセプトにそったものを作りたい、容れ物にそった企画にしたいというプロデューサーの要望はある。

それができると一気通貫していい感じだからである。と言うか、お金を出資している出資者は安心する。

しかし、コンテンツはそうはならないのだ。

コンテンツはやっぱり、コンテンツとして自立しようとする性質がある。

漫画、イラスト、写真、動画、飲食店、ライブ、ゲーム大会、なんでもいいんだけれど、

中に入ってくるコンテンツは、

それ自体が面白く、魅力があるものなので、

企画の箱の中に収まらない、

またはまったく箱に入ってないということもある。

そうすると、箱をつくった出資者は不満になる。怒り出すこともある。

「お金を出したのに、全然コンセプトに沿ってないし、ただ、ファンを喜ばせただけの企画じゃないか!」

と広告主が怒るかもしれない。

でも、そういうもんなのである。

お客さんが求めているのはコンテンツであり、コンセプトではないからである。

ましてや広告主のことなどどうでもいいのである。

広告主や、プロジェクト出資者は、

コンテンツのお客さんを喜ばせた先に、

うまく自分達のゴールへつながるよう

設計しないといけないのである。

それはすごく難しいことであるし、ある部分諦めないといけないものも多い。

コンテンツをつくり、運用する人が一番強い

つくり手や、現場を運営している人達のことをないがしろにして軽視していることも多い。

遊園地のアトラクションで、実際に人を引きつけているのは現場のお兄さんお姉さん達である。

カフェやバーの店頭で、人を引きつけるのは、

飲み物や料理以上に、

現場で働く男女の人間達である。

現場をリアルに運営して

その空気、空間をクリエイションしてるのは、彼、彼女たちなのである。

決してプロデューサーではないのだ。

そこをプロデューサーになると忘れてしまうことが多い。

逆に言うと、

ノーコンセプト、ノーコンテンツだったとしても、

現場に素敵な人がいれば、それだけでエンターテイメントが成立することもある。

HUTTE日本茶スタンドの店頭に立って

GW3日間、都会の山小屋HUTTEの日本茶スタンドに店頭スタッフとして接客して、

三日間を通じて、だんだん柔和な顔、と雰囲気に変貌してきた。(当社比)

写真でチェックしたりして「こわもてだな・・」と反省し、日に日に調整。

HUTTEのコンセプトも、日本茶のコンセプトも、空間の気持ちよさも、

全部が、店頭に立っている私に左右されてしまう。

私の感じに全部ひっぱられてしまうのである。

なので、その自覚をもって私の感じを、ちょっと狙いに寄せていって、

私の中の柔和で温和な感じを表に出してがんばってきた。

プロデューサーは、コンセプトを決めたら、

最後、現場の最前線にたってお客さんに直接チラシを配って、

接客して、レジ打ちすべし、と昔から思ってきたが、

その初心を思い出させてくれたいい企画となりました。