恥はかきすて<やる気が出ない3つの理由 #6>

 マイクロステップで人生をすすめていくのに、勇気が必要だという話です。 わたし達が「やる気を失っている」と思うとき、それは結局の所「自信を失っている」状態です。やる気は自信と言い換えることもできます。自信がないとマイクロステップを踏み出せません。

 大逆転を狙って、サイコロで六の目が出る事にこだわらない。一でかまわない。

 これは初手から必ず大成功することを自分に課さないということです。しかし初手を狙っているなら、まだマシです。多くの人が自分では動かずにホームランを狙っています。打席に立たない、何もしてないのにホームラン?と思うかもしれませんが「わたしはやればできる」と呪文のように唱えながら何もせずに愚痴ばかり言っている人はたくさんいます。小説家になりたい、といいながら小説を書いてない人というのが世の中にたくさん溢れている訳です。

 そしてそれは青春の通過点であり、誰にでもそんな時期はあります。私にもあなたにもそんな時期はありました。またこれから再来しないとも言い切れません。

失敗して自信をなくすって本当?

 誰しもが失敗を通じて自信をなくすと考えますが、これは間違っています。

 その人の性格にもよりますが、ビジネスやプロジェクトで失敗して自信をなくすかどうかは五分五分程度ではないでしょうか?

 以下の話は、自分の年商にスケール調整して想像してください。年商1000万あります。とりあえずフリーランスとして生活はもう困ってません。そこで新規プロダクトつくりました。外注デザイナーにも依頼して、あれこれつくって、

「この市場のこのターゲットに、この施策、絶対ハマるぜ!三〇万円つかっちゃう!」

「ズコー!そんなターゲット存在してなかった〜!グスン」

「あー、やっちゃった。悔しい。次は負けない。アソコがよくなかった。いやココかも」

 この失敗した時の思考回路はそんな風に、負けた理由をフル回転で分析しているのではないでしょうか?年商1000万で30万円の投資での失敗は普通のことだからです。やるべき挑戦だからです。

 全戦全勝は勝負の世界ではありえない。それを経営者なら分かっています。負けることは自信をなくすよりも、むしろ次への挑戦というステップにつながることが多いです。

 もちろん、ビジネスで大きく失敗すれば、その傷で何年も再起できない、そんなこともあります。しかし、いつかは不死鳥のように再挑戦するはずです。

 つまり、失敗という結果で自信を失うばかりではないということです。やる気≒自信が湧く失敗もありえると思います。

 そうなると?自信をなくすのはいつのタイミングなのか?

本当に自信をなくさせる状態は、行動する前にある「失敗したらどうしよう」という不安

 結果を知りたくないのである。

 受験しなければ不合格にはならない。同時に合格もないのだけれど、それについては考えないのである。とにかく挑戦しないで不平不満を述べていれば、とりあえずは不合格にはならないのである。

 事業はうまくいってないけど潰れている訳ではない。何もしなければ倒産は無いのである。ただ毎日がなんとなくつまらない、胸をはって経営しているとは言えない。そんなゾンビベンチャーも大量にある。

 投資しなければ失敗しないのである。その状態、「投資したら失敗しちゃうかも。だからどうしよう?」と悩んでいる、その不安。結果が出ないでほしい、という不安です。

 結果は失敗か成功かの2つです。ある意味、経営者は結果がでればどちらも受け入れられます。

 しかし、結果が出る前、さらには行動する前の段階に不安があります。

 結果がでるための行動に移させる決断へのプレッシャー、宙ぶらりんなままにしておきたい、何も行動したくない、という願望。これらは、結果が出てしまうことへの恐怖にがんじがらめになった不安です。

 これは、自分自身が見せている幻影なのです。実態がない。だから現実を生きる経営者にも対処が難しいのです。現実ではないから対処できないのです。自分が見せている妄想だからです。

 マイクロステップを踏み出すことが如何に有効なのか。

 それは考える暇「失敗したらどうしよう」という不安を抱かせる前に行動してしまうことにあるからです。自信喪失とは、行動を起こす前の恐怖よる不安が引き起こします。なので失敗という結果には関係ないのです。

 それであれば、そんな妄想にとらわれる前に、さっさと行動してしまったほうが得だからです。恥はかきすて。しかし恥をかくのを恐れる不安にがんじがらめになってしまっている人がたくさんいます。

 案ずるより産むが易し。さっさとやってみましょう。