写真は10年前33歳の時のライブの写真。大して変わってないね。
会社員の役者やミュージシャン、クリエイターは偽物のアーティストか?
アルバイトなど最低限食い繋ぎながら、芸や音楽に集中するからこそ成功できるのであって、会社員など安定していたり、他の仕事をしていたらプロのアーティストにはなれない、という類の主張である。そしてこの神話は比較的信じられている。
プロとは職業、という意味
プロ、プロフェッショナルを新明解国語辞典で紐解くと、職業として行うこと、といった解説。そこで職業も調べてみると、生活を支えるに足る専門性や技術のことを指す。フルタイムアーティスト理論は、この職業という概念に根ざしていると理解した。プロとは、それで食べていけるだけの技能があることを示すからだ。ちなみに、アマチュアは何かというと、趣味として行うことだそうである。
プロとアーティストはまた別の概念である
アーティストは、人間や、社会人、とかと同じレベルの抽象度高く、誰でもなれる、素直な人、くらいの意味である。だから誰でも、子どものように素直になれれば本物のアーティストになれるのである。そこにプロとアマチュアは関係ないのである。本物のアーティストは創作を楽しめている人、偽物のアーティストというのが存在するなら、作りたくないものを作っているアーティストのことであろう。会社勤めを続けながら、本物のアーティストになることはできる。社会と接点を持ちながら、人生を豊かにする大きな遊びがアーティスト活動だと思う。
人気者になる→プロになる、ということ
プロとアマチュアの違いはマインドや根性ではなく、アーティストとしての創作仕事と収入が増えて職業、つまり生活を支えるに足る手段になったので、プロになってしまう、ということである。昨今のYouTubeを初めSNSが便利な時代におけるミュージシャンなどを例にとると、メジャーデビューしてから人気が出る訳じゃなくて、SNSで人気になった結果、大手レコード会社から声がかかってデビューというのもイメージできるはず。(いっそ儲からないから自社レーベルで出して契約を断る人もいるよね)。つまり、人気者になる→プロになる、という順である。
意図的に人気者になるには、安定を捨てないといけないのか
ようやく問いにたどり着くことができた。人気者のなり方はいろんな方法があると思うが、残酷な消費者が自分達のお金と時間を奪う資格がある人は、何もかも注ぎ込んで抽出された、芸術家の幸せとかを犠牲にしても作り上げられた芸術作品を味わいたい、という嗜虐的な思いがあったとしても不思議ではない。自分より不幸そうだから、応援したくなる、というような心理もある。人気者になろうとするのは、マーケティングに合わせた自己演出をすることになる。なので、結論として、会社に勤めながら創作する役者やクリエイターは(本物のアーティストではあるかもしれないが)売れてプロになるのに、少し余裕がある分、遠回りなのかもしれない。
逆の結論に辿り着きたかったのだけれど
ライフスタイルを大切にし、ゆるベンチャーを推奨する自分は逆の結論に辿り着きたかったのだけれど、今日の思考の旅はこういった着地になってしまった。さらに勉強と思考を深め、幸せな生き方とプロ、仕事、創作活動についてのヒントを探していきたいと思います。