WEBサイトを更新する仕事、
25年前はホームページ制作会社の仕事でした。
今は、クライアント企業(つまり普通の会社)のアルバイトスタッフでもできる簡単な「作業」にはなりました。
一方で、更新に対する重さ、緊急度は増しています。
とてもアルバイトスタッフに任せされるものでもありません。
その辺りを紐解きます。
昔は更新「作業」そのものが難しかった
私がホームページを作りはじめた25年前は、
HPのトップにあるニュースや、TOPのバナーを差し替える作業そのものが難しかったです。
HTMLとスタイルシートを自分でいじって保存して、FTPソフトなどでアップロードする必要があったからです。
そのバージョンを管理する必要もありました。
間違えて古いもので上書きしてしまうことを「先祖返り」と呼びました。
「鈴木くん!先祖帰りしちゃってる!」と黒田さんからお叱りの電話がよくかかってきたりしました。
そういう人為的ミスが起きてしまう仕組みだったのです。
コンテンツマネージメントシステム=CMS=ブログの時代
20年前になると、ブログというシステムが開発されました。
PerlやPHPで作られたWEBサーバーにインストールして使うソフトウェアで、
HTMLで表示されるページを、管理画面から作れる画期的なものでした。
「作業が簡単だから、中身を考えるのに集中できる!」
というものだったのです。
気軽にアップ出来るので、それがブログとして、みんなが毎日ログ、日記として書けるツールとして進化して大ブレイクしました。
そのブログと同じような仕組みで、
主に企業サイトを制作するためにツールが整っていったのが、コンテンツマネージメントシステム=CMSです。
基本は同じです。ただ出来る事が、CMSの方が複雑です。
さらに、WordPressやMovableTypeといったブログシステムを複数利用して、
複雑な企業サイトを運営しているケースも多数あります。
これらも総じて、CMSと呼ばれます。
CMSの時代になり、制作会社にHPの更新を小規模なものであれば依頼する必要がなくなりました。
ここは一つの大転換でした。
誰でも更新できるようになる=更新が加速する=ユーザーの反応も加速する
企業のHPが1ヶ月何の更新もない。
もちろん今でも、それが普通と思ってる企業もありますが、多くの企業にとっては違うでしょう。
現在、消費者向けの商材を提供している企業は、
毎日、毎時間のようにニュースやお知らせを更新しているはずです。
簡単に更新できるようになったため、
消費者にとって便利な情報をどんどんとWEBに提供できるようになりました。
そうすることで、便利への欲求はSNSの発展と共に、ものすごい加速を見せました。
1時間に一回、コンテンツを更新している、
そんなことも普通のことです。
25年前では考えられません。
同時に、WEBでの発信が大きな影響力を占めるようにもなりました。
発信するニュースの中身を考えるのに莫大なリソースをとられるようになります。
発信一つで大炎上。そのため厳重なケア。果たしてこれはお客さんのためになっているのか?
トラブル時の即時発信ができるのは、良いことなのですが。
自分達の発信が、トラブル、炎上を起こすということも増えました。
センシティブで扇情的なユーザー達は、炎上して叩く先を常に探しているので
火種に対して関係ない人があつまって大炎上します。
その対応に追われ、消耗していく企業の広報担当やWEB担当はたくさんいるのですが。
そもそもきっかけが、自分達の発信なのだとしたら、
その最初の発信から辞めた方がいいわけです。
発信が炎上しないように、最新の注意とバックアップ体制を敷いて、
炎上した時のために即時対応できる体制を組んで、
WEBでの発信と、その対策に多大な労力をかけています。
それらはすべて、商品価格に反映されるわけです。
果たして、その活動意味あるのでしょうか?
お客さんのためになってるのでしょうか?
企業(に限らず発信するすべての人は)その発信が本当に、
お客さんにも自分にも適正な発信頻度・スピードなのか?
そこでおこるトラブルは許容しうるリスクなのか?
それらを鑑みて得られるメリットが勝るのか?
冷静になって考える必要がある。
HPの更新が1ヶ月または1年に1度でもいい会社はたくさんあるはずである。
適切な発信の方法を探そう
適切な相手「だけ」にしぼって
適切な頻度で、
適切な手法をつかって、
届ける事が、おたがいにとって大切なことなのです。