狭い商圏を選べば差別化は不要

独立はじめの一歩として、何か自分の技術やノウハウをサービスとして提供しようとした時に、

オンリーワンを提供する必要はありません。

誰もが提供している普通のもので構いません。

普通のサービスを受けたい

まず前提というか一般的なお客様の心理として「普通」でいいという思いがあります。

普通がいい、と普通をより望まれることもあります。例えば、椅子が故障したとする。その椅子を修理してほしい時に

「直した椅子は必ず赤く塗ります」

「直した椅子は、業界最高水準の軽さになります」

「直した椅子は、絶対に壊れないよう鉄筋で補強します。」

というオンリーワンのサービスだったら困ります。

今まで通り、木材で普通に直してほしいのです。そこに個性は不要です。

その前提だけでも、そんなに差別化が必要ないと思います。

お客様は自分の商圏で済ませたい

東京に暮らしていて、北海道にどんなにすばらしい味と価格の、スーパーマーケットがあっても、そこへいくことはありません。スーパーマーケットで買う商品は、できれば自分の30分以内で済ませたいからです。

ほしい商材がどれほど珍しいものか、によって商圏の広さは変わります。天然木のテーブルをオーダーメイドしたいなら、北海道の工房まで足を運ぶ可能性はあります。

でも、それでもカナダまで行くのはちょっとな、という人がいると思うので、ほとんどの場合、北海道の職人とカナダの職人は商圏上、競合しないでしょう。

これは物理的な商圏だけでなく、心理的な商圏も含みます。

HP制作会社やデザイン会社を選ぶ時も、知り合いの紹介の会社で済ませたい、新しい会社を開拓したくない、

関西の会社に頼みたい(わざわざ商慣習が違いそうな東京の会社に頼みたくない)など、

業界のイロハがわかっている会社に頼みたい

そういった心理的な狭さの商圏の中で済ませたいのです。

商圏の中の競合とだけ比較できればそれでいい

同じ商圏の中の競合に負けていなければそれでいいのです。

そう思うと、突飛なサービスをする必要はなくなります。また独立当初は自分のコンセプトも、サービスの特徴も見えません。やりながら、お客様のフィードバックを受けながら洗練させていくものです。

なので、おかしな個性を立たせる必要はないのです。

普通に修理します。

普通にHP直します。

普通にドラム叩きます。

でいいのです。

それでも「じゃああなたに頼もうかな」となる可能性は大いにあります。

むしろ、商圏をどこに持っているか、を自覚した方がいいと思います。

地域なのか、特化した業界なのか、プラットフォーム選びなのか、友人知人のつながりなのか、

自分がどこにいるお客様をターゲットにして営業するのかをまず決めましょう。

商品は普通で、よくある、他も提供している、お客様が欲しがりそうな普通のものでいいのです。