2003年に大学を卒業、就職するはずでしたが、
結局2005年に卒業したひろおです。
内定した企業に謝りにいったのも良い思い出です。
そしていろんな意味で就職を諦め、
ちょっとした事業をはじめていた私。
そのままフリーランス?フリーターとしてキャリアをスタートさせようとしていたけれど。
なんとなく当時の周りの女性陣からの強い圧力に屈し、近所の会社に就職したのでした。
でもそれがきっかけで、大きな未来につながったのでした。
豊かさの象徴「複合機」がほしい
私の最初の豊かさの象徴(?)
良い会社の象徴は「複合機」だったのです。
一応説明すると、スキャン、コピー、ファックスが合体したものです。
「複合機があるなんて、儲かってるし良い会社だな」という・・・。
なんでも良いんだけど、複合機ってすごいな、って憧れだったのです。
小さなプリンターしかない会社は儲かってない会社のイメージだったのです。
「いつかは、複合機を買おう」
社会人の最初の会社もマンションの一室でスタート。
もちろん複合機なんてなかったのです。
「会社を大きくして複合機を買ってやろう」
そう思っていたのでした・・・。笑
プリンター好き男
そもそもプリンターが好きな男なのです。
学生時代は、学級新聞つくりをずっとやってました。
学校のわら半紙印刷も、コピー機も、印刷所の輪転機も好きだったのです。
さらに、パソコン用のプリンターも好きでした。
某プリンターメーカーのセールスで、売り上げ台数が圧倒的で何度も表彰されたこともありました。
※働くようになっても、週末に売りに来てくれないか、聞かれたのは嬉しかったです。
はじめから複合機のある会社に就職できていたら
私は優秀ではない学生だったので、
就職活動に積極的でもないし
何より社会に対して斜めなスタンスをとっていました。
自己分析も出来ていないし、
何より、ぬるいのんびりした学生でした。
また就職氷河期時代ど真ん中でしたし、
「中退一流、留年二流、卒業三流」というバンカラ大学なので
私は到底、複合機のある会社に就職できるとは思っていなかったのです。
さらに2年間のモラトリアムがあって、
数学を教えながら、絵を描いて、文章を書いて、歌を歌って、プリンター売って暮らしていたのです。
※気づけば20年たって今も同じではないか!
もし、私がちゃんと学校に真面目に行って、自分を分析して、複合機を買える一流企業に就職していたら?
どうなっていたかと想像することもあります。
たぶん競走でもみくちゃにされ、
おかしな尖り型をして、
心を病んで脱落しただろうなと思います。
競走に晒されてそこで勝ち進んでいくイメージは、
当時も今も持てなかったな、とふと思うのでした。
そんな強い男にはなれなかっただろう、と思うのです。
最初は複合機が無かったけど、複合機が買えた会社に就職した
複合機が来たとき
「わ〜。すごい。大企業じゃん!」そんなことをいって騒いだ覚えがあります。
「これで打ち合わせ前に、プリンターが詰まってうまく印刷できなくてMTGに遅れるとかなくなりますね!」
と社長に喜んで伝えた記憶があります。
インクジェットプリンターと、カラーレーザープリンターはまったくの別物なのです。
「これぞ!プリンター」と思って感動した記憶があります。
今でもその当時の、自由が丘のオフィスでの一場面が思い浮かぶのです。
グレーのカーペットの上に堂々とやってきた複合機。
まあでも、とっくに買おうと思えば買えたのです。リースだってあるし。
私もどっちかっていうとペーパーレス派でもあって、どうでもいいっちゃどうでもいいのです。
仕事も増えて社員も増えて、家庭用プリンターじゃ、にっちもさっちもいかないところまで追い詰められて、
仕方無く導入したのでした。
でもそんな複合機は私の豊かさの象徴だったのです。
複合機がある会社に勤めている、という自分の勲章だったのです。
自分が会社を複合機が買えるほどに大きくした、と思っていたのです。
※結果として、もっと大きくしたと思うよ。
はじめから独立していたら?
あの時、なんとなくの周りの心配に流されず、独立していたらどうなっただろうか?
と思うこともある。
世間知らず過ぎたなともちろん思うし、
きっとうまくいかなくて、どっかに就職しなおしたかもな、とも思う。
でももしかしたら?
自分ではじめた苦労の末に、
ようやく複合機を買ったときの喜びは、10倍くらいあったかもしれないと思うのである。
9年サラリーマンやって独立し、
それから2年くらいで自分の会社でも複合機を買った。
中古でたったの10万円。
壊れもせず今もカッシー社でつかってもらっている。現役だ。
複合機なんていうのは、ビジネス機器の中でもう2013年でもとっくのとうに過去のプロダクトだったのである。
今は、小さいカラーレーザープリンターをつかっている。
「こんなに小さいのにカラーレーザーなの!?」と衝撃を受ける製品である。
それはそれで嬉しいのだけれど、
「複合機を買って飛び上がるほど喜んだ人生の果実」を
食べ損なった可能性はあるな〜と悔やむ日もある。
でも、今言っとくと、
複合機なんて、オフィスにいらないよ。でかくて邪魔なんだから。笑