多忙なクリエイティブ業界における「定例会議」と「会議資料」の活用

定例会議というと、

ネガティブなイメージがつきまとうと思いますがわたしは大の定例会議フリークです。

しかし、1プロジェクトにつき、週1回。

しかも基本的に、大規模なプロジェクトは1つしか引き受けないので定例会議で毎日埋まるということはありません。

適正な頻度なら定例会議は役立つよ!そんなに毛嫌いしないでね!

っていう話をします。

忙しい中でももっとも深刻な「形無し」な人たち

恒常的な睡眠不足な現場スタッフ、プランナー、ディレクター。

まあクリエイティブで忙しい人はたくさんいる。

その中でも、コントロール出来ている人と、

もうどうしようもない状態の人がいる。

仕事の量ではないのである。

問題は「型」である。

毎日忙しく追われ、いったい何をしているのかも分からないほど忙殺されてしまっている、

武器も持たせてもらえず、教育に当てる時間もお金も無い。

そんな彼、彼女らは、仕事の「型」を教わってない。

「型」にはめてもらえてないのである。

最初は、なんらかの型にはめてもらうことが成長のきっかけなのである。

基本的な仕事の進め方である。

PDCAの回し方を学生時代から身につけてきた人は、意外にすんなり仕事にも対応できたりする。

一つの型である。

「決まったこと」すらできない

決まったこと、つまりやらなければならないことという意味と、

もう一つ、毎日、毎週同じことをやる、ルーティンである。

そのどちらも出来ない。

ただただ、自分の無能さに落ち込んでしまう。

次から次へと、トラブル、課題が降ってくるのである。

電話を取ったらクレーム、メールを開いたらクレーム、

Xを見れば、炎上してる。

「重要にして緊急」な課題ばかりが、TODOリストの上位を独占・上書きし続ける。

そんな状態で、タスク管理して解決して、なんてできる訳がない。

そもそもTODOリストに書き込んでいるならマシである。

そんなものすら持ってないかもしれない。

会議が一番強制力がある

リアル会議がもっとも強制力がある。

そこに出席しなかったら、明らかにやばいな、と分かるから

小心者ほど会議にしっかり出席する。

それでいて「会議なんて意味ない」と皆思っている。

どうしようもない状態でプロジェクト進行している会社ほど

会議をないがしろにしている。

会議ばかりしている大会社を馬鹿にしたりもしている。

会議ばかりもまあ、問題なのだけれど、

それなりにスタッフが関わっているのに、会議ゼロの方が大いにやばいのである。

まず、自分でコントロールを超えてパニックになってる人を、会議の場にひっぱり出すだけで大いに現実を把握する有効な手段だからである。

毎週、その時間に会う!

それだけで、パニック状態の人達を落ち着けて、

指導したりサポートしたりする時間を設けられるのである。

会議で積み上げていくための資料。同じ話をする時間をなくすために。

会議の資料が大事なのである。

そう言うと「プレゼン資料なんて無駄!そんなことしてるならプロジェクト進めないと」

なんて声が聞こえてくる。

そうじゃないのである。

毎週議事録をアップデートするのである。

それも同じ議事録を、毎週赤字を追記して書き換え続けるのである。

そうすると気づくことがある。

ほとんど同じ問題について何ヶ月も話してたりするのである。

それだけ問題が大きいのであれば

小分けにしなければならないし、どうしようもないなら、

もう撤退なりお手上げなのである、

それ以外のことに注力したほうがいい。

そういう経営判断も下せる。

その「更新する議事録」我々はそれを「会議資料」とシンプルに呼ぶのだけれど、

いろんなノウハウが凝縮した一つの形なのである。

なんの準備もいらない「会議資料」を上から舐めていく

「先月実施した、展示会の結果について次回出展するかの検討(2024/10/25)」

とか、一行だけ書いてあるのである。

それを受けて

「あれってどうなったの?」

と誰かが言う。

「Aさんが何の数字もないのに無理だよとか言ってました」

「おいおい、それなら数字まとめとけよ」

「言われてませんから。」

「もう。じゃあ、次回Bさんが数字まとめて、この会議で検討、そんでAさんに稟議上げる、でOK?」

「はーい」

そこで議事録に加筆する。

先月実施した、展示会の結果について次回出展するかの検討

・Bが来場者、問い合わせ数まとめる

・2024/11/08定例で結論出し

・Aさんへ稟議あげる(2024/10/29)

これでいつまでもその問題が宙ぶらりんになることを、その場でチェックするのである。

こういうプロジェクトチームの課題が、このワードのファイルに、全部入ってるのである。

このワードファイルを見ればすべての問題が書いてあるのである。

加筆した日付が古い課題は、ずっと棚上げされているのである。

諦めるか、分解するか、を検討しなければならない。

たったそれだけの、仕事の型である。

しかし、こんなシンプルなツールでも、どうしようもない状態の人達には効果が絶大だ。

その人達は、もう頭が朦朧としているので

・感情とぱっと思いついたことをダラダラと話してしまう

・順序だててプロジェクトの課題を思い出せないので、ずっと棚上げされた問題が残ってしまう

・何をやってきたのかが分からないから達成感がない、プロジェクトが進んでいるのかどうかも分からない

という状態に陥ってしまうのである。

それを目に見える形で、

「会議資料にはすべてがのっていて」

「終われば線で消してある」

そう思うだけで気持ちが楽なのである。

先月実施した、展示会の結果について次回出展するかの検討

・Bが来場者、問い合わせ数まとめる

・2024/11/08定例で結論出し

・Aさんへ稟議あげる(2024/10/29)