芒種の頃、嘘つきとお茶と、涙の海

椪風茶、東方美人

椪風茶の「椪風(ぐふう)」というのは「嘘つきの」という意味。

椪風茶、別名、東方美人という台湾のウーロン茶がある。

ウンカという虫がくった葉だけで作ったお茶で特別な甘さがある。

いやいや、そんなお茶がおいしいわけなかろう、

と嘘つき呼ばわりされたことから椪風茶とも呼ばれる。

ところが本当においしく、

ヨーロッパでも大ヒットしたことで、東方美人という名がつく。

虫が食う葉が甘い、というのはありえる。

虫は人間には分からないセンサーで葉の甘さを見極めているのかしれない。

または虫が食ったときに、虫の口から出る酵素の一種で味が変容するのかもしれない。

虫が好かない相手

フリーランスや独立していると、

仕事を選ぶ、

嫌な人、虫が好かない相手とは仕事なんてしてやるもんか、

という事になりがちだよね、なんて話を今日は師匠とする。

ついつい選べる立場のような気にもなるけれど、

人間、皆一様に目の前の人と付き合っていかないといけない訳で、

選ぶ、なんてのはお互いに傲慢なことかもしれないね、なんていう話に。

一所懸命に、謙虚に仕事していくと言う時に、

自分のためなら頑張れないが、子どものためになら何だって出来る、

というの親の本音であり、底力でもあるとも。

それはその通りで、子どものためなら親は何だって出来る。

愛する子どもが苦しんでいる

そんな愛する子どもが

グズる時、

熱を出して寝込む時、

反抗する時、

学校に行かない時、

親はいてもたってもいられない気持ちになる。

そして、その苦しみを取り除いてあげたい、

出来ることなら替わってあげたい、と思うものである。

そこは本人の生命力、

精神力で乗り越えていってもらうしかあるまい、と思う。

ところが、こうした出来事が

親に起因していて、

子どもから親へのメッセージだったら?

頑張り屋さんのあなた

お父さんもお母さんも

多くの人が頑張り屋さんで、

一人でがんばってきた。

無理を承知で背負いこんで、

がんばってがんばって、

ここまで来た。

悲しい出来事も、

怖かった出来事も、

全部努力で乗り越えてきたのです。

だから、

今も働きながら子育てしていても、

多少の荒波ならガッツと努力で乗り越えます。

そうやっていろんな痛みや傷を封じ込めて、

見ないようにしてきたのです。

かさぶたを何重にも厚くして

固い自分の殻をつくってきたんです。

そしてその中に、

ずっと長い事、

がんばりながら、

外に流れるはずだった涙を、

体の中の海に貯めている。

自分の事なら我慢出来る、でも子どものことは我慢できない

がんばるあなたが立ち止まるのは

子どもがSOSを叫んでいる時だけです。

その時だけは立ち止まれる。

原因もよく分からず子どもが頭が痛い時、

学校に行けないとき、

SOSをあげているのは、

優しいお父さんお母さんの方なのかもしれない。

お父さんお母さんを

立ち止まって休ませるために

子どもが替わりにSOSを発信してくれている。

体の中にたまった、

涙の海があふれる前に。